SDGsとは~これまでとこれからをわかりやすく解説~
“SDGs”という言葉が日々のニュースを賑わす機会が増えています。しかし、「SDGsってなに?」、「そもそもSDGsとはどういう意味?」、「日本語だと持続可能な開発目標といわれるけれどよくわからない・・・」という方もいらっしゃることでしょう。そこでここでは、SDGsの意味、SDGs達成に向けたこれまでとこれからについて解説していきます。
SDGsとは~その意味と全体像~
SDGsとは、”Sustainable Development Goals”の略で、日本語では「持続可能な開発目標」と訳されています。1990年代に採択された国際開発目標や2000年に採択されたミレニアム開発目標(MDGs)を引き継ぎ統合した最新の目標で、2015年に国連サミットにて採択された、2030年までの国際目標です。
SDGsは、地球上の「誰一人取り残さない(leave no one behind)」ことを誓っており、新興国のみならず、日米欧といった先進国を含め全世界で取り組むべき目標として、「持続可能でより良い世界」をつくるための17のゴールと169のターゲットを定めています。
17のゴールについては、以下の画像のとおりで、貧困削減や健康・福祉の増進、教育の質的向上、ジェンダー平等、気候変動対策など、広範にわたる社会課題の解決が目標に盛り込まれています。
出所:国際連合広報センター
ちなみに、「持続可能(Sustainable)」という言葉は、元々は環境保全と経済開発は両立可能との考え方を示す際に使われてきましたが、現在では「環境、社会、経済の面で負荷が少なく持続できる」といったように、より幅広い意味で用いられています。これは次世代以降、さらに深刻さを増す社会課題についても積極的に対処しようとする「未来志向」の表れと捉えることができるでしょう。
SDGs達成に向けたこれまでの5年間の取組み
先にお伝えしたSDGsが国連サミットで採択された2015年以降、その達成に向けた取組み、進捗状況はどのようになっているのでしょうか。
2019年9月25日付の日経新聞『SDGs「進捗の遅れ」初の首脳級会合 国連で共同宣言』によると、「持続可能な世界の実現に向けて、多くの分野で「進捗の遅れ」がみられると明記し、危機感を共有した」とあります。現時点では残念ながら総じて順調とは言い難い状況にあるといえるでしょう。
2030年まであと10年~SDGs達成に向けてこれからの取組み~
国連はこれまでの芳しくない進捗状況に対し、2020年から2030年までの10年間を「行動の10年(Decade of Action)」と定め、取組みを迅速かつ大規模に実施することを各国に促しています。これを受け、各国は独自のアクションプランを公表しています。一例として、フィンランドでは、(SDGs達成期限よりも先ですが)2035年までにカーボンニュートラル(二酸化炭素の排出量と吸収量が同量、差分が±0)の達成を目指すとのことです。
日本では、2016年5月に設置されたSDGs推進本部が、2020年のSDGs推進のための具体的施策を取りまとめた『SDGsアクションプラン2020』を定めています。こちらでは、日本がSDGs達成のためにどの分野にどのように注力するかを、国内実施と国際協力の両面で、具体的な取組みとして一覧にまとめています。
ここでは国連(国際機関)、各国といった公共セクターに焦点を絞ってお話ししてきました。しかしながら、公共セクターのみならず、一般の企業や金融機関などの民間セクター、またNPOやNGOなどの社会セクター、ひいては私たち個々人に至るまで、SDGs達成に向けた取組みは全世界一丸となって推進する必要があります。
先にもお伝えしたとおり、これまでの5年間、残念ながらSDGs達成に向けた進捗の遅れは否めませんが、まだこれから10年間というこれまでの倍の期間があります。まず、私たち一人ひとりがSDGs達成へ意識を向けること、次に正しい知識を身につけること、そしてそれを行動につなげることが必要不可欠です。一緒に一歩ずつ進んで行きましょう!