【SDGs17のゴール】8. 働きがいも経済成長も

SDGs(持続可能な開発目標)17のゴール(目標)。その項目の8つ目に掲げられているのが「働きがいも経済成長も」です。SDGsでは、2030年までに包摂的かつ持続可能な経済成長およびすべての人々の完全かつ生産的な雇用と働きがいのある人間らしい雇用を促進することを目指しています。端的にいえば、経済成長と公正な雇用の両立の実現を指向しているといえます。

SDGs「8. 働きがいも経済成長も」が目指す方向性~MDGsとの違い~

雇用について、SDGsの前身であるミレニアム開発目標(Millennium Development Goals: MDGs)では、「極度の貧困と飢餓の撲滅」に内包されるかたちで、「生産的かつ適切な雇用」として掲げられていました。MGDsからSDGsへ更新する際、雇用に関する目標に経済成長に関する目標が付け加えられ、「働きがいも経済成長も」という独立した1つの大きな目標となりました。

「働きがいも経済成長も」に付随するターゲットには、経済成長に関するものが4つ、雇用や労働条件などの労働環境に関して定めたものが7つ、金融アクセスに言及したものが2つあります。労働環境に重点を置いた目標であることがMDGsと共通する点、経済成長や金融アクセスへの言及がSDGsならではの新しい点と考えられます。

SDGs「8.働きがいも経済成長も」に紐づけられる12個のターゲット

SDGsでは、17のゴールの各々に紐づけられる169のターゲットを定めています。「8.働きがいも経済成長も」のターゲットは以下の12個になります。

8-1各国の状況に応じて、一人当たり経済成長率を持続させる。特に後発開発途上国は少なくとも年率7%の成長率を保つ。
8-2高付加価値セクターや労働集約型セクターに重点を置くことなどにより、多様化、技術向上及びイノベーションを通じた高いレベルの経済生産性を達成する。
8-3生産活動や適切な雇用創出、起業、創造性及びイノベーションを支援する開発重視型の政策を促進するとともに、金融サービスへのアクセス改善などを通じて中小零細企業の設立や成長を奨励する。
8-42030年までに、世界の消費と生産における資源効率を漸進的に改善させ、先進国主導の下、持続可能な消費と生産に関する10年計画枠組みに従い、経済成長と環境悪化の分断を図る。
8-52030年までに、若者や障害者を含むすべての男性及び女性の、完全かつ生産的な雇用及び働きがいのある人間らしい仕事、ならびに同一労働同一賃金を達成する。
8-62020年までに、就労、就学及び職業訓練のいずれも行っていない若者の割合を大幅に減らす。
8-7強制労働を根絶し、現代の奴隷制、人身売買を終らせるための緊急かつ効果的な措置の実施、最悪な形態の児童労働の禁止及び撲滅を確保する。2025年までに児童兵士の募集と使用を含むあらゆる形態の児童労働を撲滅する。
8-8移住労働者、特に女性の移住労働者や不安定な雇用状態にある労働者など、すべての労働者の権利を保護し、安全・安心な労働環境を促進する。
8-92030年までに、雇用創出、地方の文化振興・産品販促につながる持続可能な観光業を促進するための政策を立案し実施する。
8-10国内の金融機関の能力を強化し、すべての人々の銀行取引、保険及び金融サービスへのアクセスを促進・拡大する。
8-a後発開発途上国への貿易関連技術支援のための拡大統合フレームワーク(EIF)などを通じた支援を含む、開発途上国、特に後発開発途上国に対する貿易のための援助を拡大する。
8-b2020年までに、若年雇用のための世界的戦略及び国際労働機関(ILO)の仕事に関する世界協定の実施を展開・運用化する。
出所:外務省HP資料に基づいてクラウドクレジット作成

経済成長、雇用、金融アクセスの3つは相互に関わりの深い領域です。企業が利益拡大を目指すと、人件費を削減しようという動きが生まれ、労働環境の悪化を招いてしまう可能性があります。逆に、経済成長や利益拡大が無ければ、そもそも安定的な雇用を維持することが難しくなります。また、サービスの対価や給与の支払いや受け取りは、金融アクセスがあることによって促進され、同時に不適切な闇取引などは監視、排除されます。一方で、金融サービスを提供する企業は利益を得られなければ活動できないため、事業展開国における経済成長や安定した雇用が必要です。こうした事情を踏まえ、SDGsでは3つの領域に同時にアプローチすることで、人権を尊重しながら経済成長を実現し、皆が豊かに暮らせる社会を目指しています。