【SDGs17のゴール】2. 飢餓をゼロに

SDGs(持続可能な開発目標)17のゴール(目標)。その項目の2つ目に掲げられているのが「飢餓をゼロに」です。日本を含む先進国においては飽食の時代といわれて久しいですが、新興国ではまだまだ喫緊の重大な社会課題の一つといえます。SDGsでは、2030年までに飢餓を終わらせ食料の安全を保障するだけでなく、それを支える持続可能な農業の実現を目標にしています。

SDGsが目指す2030年までに「飢餓をゼロに」~飢餓の現状と原因~

「飢餓」とは、簡単にいってしまえば、栄養不足に陥ることです。健康的な生活を阻害するばかりでなく、飢餓状態の長期化によって慢性的な疾患につながり、生命の危険に晒されることも少なくありません。

世界銀行の公表するデータによると近年、世界全体で飢餓は減少傾向となっています。しかしながら、その改善速度では、SDGsが目指す2030年までに「飢餓をゼロに」するには甚だ心許ないと言わざるを得ない状況にあります。アフリカ地域にいたっては、いまだ地域の2割以上の人々が飢餓状態に苦しんでいます。

この飢餓の原因には大きく分けると以下の3点が挙げられます。

(1)食料の世界的な偏在
(2)気候変動や災害
(3)貧困

(1)は端的にいうと、食料の届く先に大きな隔たりが生じているということです。大きく括ると、先進国においては食料が有り余り、食品ロスが問題視される一方、新興国においては食糧が不足するという事態が起こっています。

(2)は洪水や大雨、干ばつ、家畜の伝染病など、世界で起こる大小様々な災害による被害により、農作物や家畜の生産に多大な悪影響を及ぼしているということです。直近、2020年上半期には、東アフリカでバッタが大量発生し、作付けが始まった農家に大打撃を与えました。これと同時期、インド東部・バングラデシュには超大型サイクロンが襲い、農作物が壊滅的な被害を受けています。

(3)はイメージしやすいかと思いますが、飢餓は貧困と密接な関係にあります。貧困に喘いでいる人々は、入手できる食料が限られてしまいがちです。貧しい状況が飢餓を生み出し、飢餓で健康体を保てずまともに働けないためさらに貧困が深刻化するという悪循環を生じさせてしまいます。

SDGs「2. 飢餓をゼロに」に紐づけられる8つのターゲット

SDGsでは、17のゴールの各々に紐づけられる169のターゲットを定めています。「2. 飢餓をゼロに」のターゲットは以下の8つになります。

2-12030年までに、飢餓を撲滅し、全ての人々、特に貧困層及び幼児を含む脆弱な立場にある人々が一年中安全かつ栄養のある食料を十分得られるようにする。
2-25歳未満の子供の発育阻害や消耗性疾患について国際的に合意されたターゲットを2025年までに達成するなど、2030年までにあらゆる形態の栄養不良を解消し、若年女子、妊婦・授乳婦及び高齢者の栄養ニーズへの対処を行う。
2-32030年までに、土地、その他の生産資源や、投入財、知識、金融サービス、市場及び高付加価値化や非農業雇用の機会への確実かつ平等なアクセスの確保などを通じて、女性、先住民、家族農家、牧畜民及び漁業者をはじめとする小規模食料生産者の農業生産性及び所得を倍増させる。
2-42030年までに、生産性を向上させ、生産量を増やし、生態系を維持し、気候変動や極端な気象現象、干ばつ、洪水及びその他の災害に対する適応能力を向上させ、漸進的に土地と土壌の質を改善させるような、持続可能な食料生産システムを確保し、強靭(レジリエント)な農業を実践する。
2-52020年までに、国、地域及び国際レベルで適正に管理及び多様化された種子・植物バンクなども通じて、種子、栽培植物、飼育・家畜化された動物及びこれらの近縁野生種の遺伝的多様性を維持し、国際的合意に基づき、遺伝資源及びこれに関連する伝統的な知識へのアクセス及びその利用から生じる利益の公正かつ衡平な配分を促進する。
2-a開発途上国、特に後発開発途上国における農業生産能力向上のために、国際協力の強化などを通じて、農村インフラ、農業研究・普及サービス、技術開発及び植物・家畜のジーン・バンクへの投資の拡大を図る。
2-bドーハ開発ラウンドのマンデートに従い、全ての農産物輸出補助金及び同等の効果を持つ全ての輸出措置の同時撤廃などを通じて、世界の市場における貿易制限や歪みを是正及び防止する。
2-c食料価格の極端な変動に歯止めをかけるため、食料市場及びデリバティブ市場の適正な機能を確保するための措置を講じ、食料備蓄などの市場情報への適時のアクセスを容易にする。
出所:外務省HP資料に基づいてクラウドクレジット作成

「飢餓をゼロに」するためには様々なアプローチが考えられますが、ここでは以下に4点の解決策を挙げておきます。

  1. 食品ロスをなくす取組み
  2. 気候変動に強いレジリエント(強靭)な農業の仕組みを構築
  3. 昆虫食など食料の多様化
  4. 子どもに焦点を当てた食料支援

生活の基本となる衣食住の一つである「食」に関わる「2. 飢餓をゼロに」。世界全体に視野を広げ、一丸となって達成に向けて取り組んでいきたいものです。