【SDGs169のターゲット】7-3. 世界全体のエネルギー効率の改善率の倍増

SDGsでは、17のゴールの各々に紐づけられる169のターゲットを定めています。今回は、「7. エネルギーをみんなにそしてクリーンに」に付随する5つのターゲットのうち、「7-3. 2030年までに、世界全体のエネルギー効率の改善率を倍増させる。」について見ていきましょう。

エネルギー効率・エネルギー強度とは

エネルギー効率とは、一般的に発電機やエンジン等の効率性、または社会全体のエネルギーの使い方を指します。発電機やエンジン等の効率性とは、投下した燃料に対しどれほどの熱エネルギーや発電量を得られるかということです。社会全体のエネルギーの使い方とは、人口規模や経済規模に対しどの程度のエネルギーを消費しているかということです。ターゲット7-3は、その達成度を測る指標に「エネルギー強度」を採用していることから、とくに後者の「社会全体のエネルギーの使い方」を意味しています。

エネルギー強度とは、実質GDP1兆円あたりの一次エネルギー国内供給量(PJ)と定義されています。供給されたエネルギーは私たち個人や企業により消費されているため、エネルギーの消費量に近くなります。つまり、エネルギー強度とは経済規模に対しどの程度のエネルギーを使用しているかを数値で示す指標、社会全体の省エネの尺度といえます。

改善率の倍増とは

世界銀行の“GDP per unit of energy use(エネルギー使用単位あたりのGDP)”のデータによると、エネルギー効率の良い国はパナマ、スリランカ、スイス、アイルランド、マルタ、ドミニカなど観光国が多くなっています。一方で、日本や中国、アメリカなどいわゆるモノづくりを行う国は相対的に効率が悪くなっています。このように産業構造の違いがあるため、一律に「エネルギー強度は〇〇以内」といった形で数値目標を設定することはできません。そこで、ターゲット7-3.は「改善率の倍増」を掲げています。それぞれの国の事情に配慮しながら、それぞれの国ができる範囲内で省エネ化をできる限り早く進めるよう促しているのです。

私たち一人一人が省エネ化のためにできることは、日々の暮らし方を見直すことや、省エネ製品を選ぶことです。暮らしの省エネ化は、地球環境問題解決に貢献できるだけでなく、金銭的な節約にもつながります。私たち消費者が省エネ製品を選ぶことは、企業がより一層力を入れて省エネ製品を研究開発することにつながります。