【SDGs169のターゲット】6-1. 安全で安価な飲料水への普遍的かつ平等なアクセスの達成

SDGsでは、17のゴールの各々に紐づけられる169のターゲットを定めています。今回は、「6. 安全な水とトイレを世界中に」の8つのターゲットのうち、「6-1. 2030年までに、すべての人々の、安全で安価な飲料水の普遍的かつ平等なアクセスを達成する。」について見ていきましょう。

安全で安価な飲料水が手に入らない暮らし

日本では厳しい水質基準をクリアした安全な水を、自宅の水道から得ることができます。しかし、地球上の誰もがこうした便利な暮らしを送っているわけではありません。水を得るために30分以上歩く生活を送る人や、浄水設備がないことから病気を引き起こす細菌や糞尿で汚染された水を飲み水にしている人が2017年時点で約8億人います。そうした人のほとんどが、サブサハラアフリカ地域(サハラ砂漠以南のアフリカ地域)やアジア地域の途上国で暮らしています。

安全な飲料水については、SDGsの前身であるミレニアム開発目標(MDGs)において、「7.環境の持続可能性の確保」に内包されるターゲット7.Cにて、「2015年までに、安全な飲料水と基礎的な衛生施設を持続可能な形で利用できない人々の割合を半減させる」というかたちで目標設定されていました。この目標は1990年には24%もいた安全な水を日常的に使用できない人々が約10%にまで減少したため達成しています。SDGsでは、残りの約10%の人々も取り残さないようターゲットを設定しています。

人口増加・経済成長・気候変動で起る水不足

地球の表面の約2/3は水ですが、そのうち約98%はそのままでは利用できない海水です。飲料水や農作物を育てる水として使用できる淡水は残りの約2%ですが、南極や北極の氷河を除くと約0.8%しかありません。そのほとんどが地下水であり、私たちが利用しやすい河川などの形で存在する水は約0.01%、10万㎦しかありません。この少ない水を、人類とその他動植物でわけ合って生活しています。

現在、海水を淡水化する技術が発展し活用されていますが、設備が高額で使用するエネルギー量が多いことから水不足解消には至っていません。また、廃棄物として残る海水より濃度の高い塩水が生態系に与える影響も懸念されています。

一方で、人口増により水の需要は高まっています。飲み水としての需要は言うまでもありませんが、食料を増産し、経済成長を成し遂げ貧困を脱する為にも大量の水が必要です。また、気候変動により干ばつや洪水が発生しており、利用可能な水量に影響を及ぼしています。こうした需要の高まりを背景に、国境となっている河川において取水量をめぐる紛争も勃発しています。

1990年から2015年までの間に、安全な水を日常的に使用できない人々は地球上の約10%にまで減少しました。安全で安価な飲料水は、経済成長や貧困削減とも深く結びついていることから、SDGsでは残り10%の人も取り残さずに生活を改善することを目指しています。

一方で、水は使用できる量が限られており、気候変動と人口増から水不足の懸念が高まっています。現在、まだ安全で安価な水を利用できない人々の暮らしを改善すると同時に、既に安全で安価な水を利用できている人々の生活を今後も守るためには、創意工夫を持続的に行うことが必要不可欠です。