【SDGs169のターゲット】5-2. すべての女性たちへのあらゆる暴力を排除

SDGsでは、17のゴールの各々に紐づけられる169のターゲットを定めています。今回は、「5. ジェンダー平等を実現しよう」に付随する9つのターゲットのうち、「5-2. 人身売買や性的、その他の種類の搾取など、全ての女性及び女児に対する、公共・私的空間におけるあらゆる形態の暴力を排除する。」について見ていきましょう。

女性や女児に対する公共・私的空間におけるあらゆる形態の暴力とは

暴力は主に3つの形態、身体的暴力精神的暴力性的暴力に分類されます。身体的暴力とは、殴る・蹴る・髪を引っ張る・物を投げつけるなど身体に傷をつけ痛みを与える行為のことです。精神的暴力とは、怒鳴る・無視する・見下した言動をとるなど心を傷つける行為のことです。生活費を与えない・仕事を制限するなどの行為は、精神的暴力の中でも「経済的暴力」として分類されています。また、友人付き合いの制限や連絡の頻繁な確認などの「社会的暴力」や、殴る素振り・子どもに危害を加えると脅す行為も精神的暴力です。性的暴力とは、同意のない性的行為の強要・中絶の強要・避妊に協力しないといった性に関する支配的な行為のことです。

内閣府男女共同参画局による「男女間における暴力に関する調査(平成30年)」によると、配偶者から暴力を受けた経験は男性が19.9%、女性は31.3%でした。また、被害を受けたことがある方のうち、命の危険を感じたことのある方は男性が3.1%、女性は15%でした。

一般に女性は体格や筋力の違いにより男性よりも相対的に弱く、また、経済的にも相対的に劣った立場に置かれてしまいやすいといえます。同局による「コロナ下の女性への影響について」によれば、2020年4月から同年11月のDV相談件数は132,355件で、前年同期の約1.5倍となっています。このように、暴力の被害者は女性が多いことから、女性への暴力を減らすことが、社会全体の暴力を減らすことに繋がります。

人身売買や性的、その他の種類の搾取とは

搾取とは、優越的立場を利用し他人の利益や権利を不当に奪ったり、他人を使役したりすることです。「やりがい搾取」などという言葉を聞いたことがある方もいらっしゃるでしょう。やりがい搾取とは、ブラック企業が労働者のやりがいを盾に低賃金労働や長時間労働を強いていることです。このように、企業における雇用関係などにおいて、相対的に有利な立場にある方が、その有利な立場を使って不利な立場にある方を利用することを搾取といいます。なかには、脅しや暴行などが伴うこともあります。

搾取の代表的な事例は、人身売買の主な目的でもある強制労働性的搾取です。性的搾取が強制労働と紐づいているケースも珍しくありません。たとえば、無賃・低賃金の性風俗における強制的な労働、強制結婚、児童ポルノ制作などです。世界で検知された人身売買のうち、女性と女児の被害が全体の72%を占めています。また、子供の人身売買の4人のうち3人が女児となっています。

搾取は、生命・自由・幸福追求権などの人権を侵害する行為であり、このような行為を放置することは当事者だけでなく、社会を構成する私たちの暮らし全体が脅かされることにも繋がると考える必要があります。