【SDGs169のターゲット】4-4. 雇用、起業等に必要な技能を備えた若者と成人の割合の大幅な増加を

SDGsでは、17のゴールの各々に紐づけられる169のターゲットを定めています。今回は、「4. 質の高い教育をみんなに」の10個のターゲットのうち、「4-4. 2030年までに、技術的・職業的スキルなど、雇用、働きがいのある人間らしい仕事及び起業に必要な技能を備えた若者と成人の割合を大幅に増加させる。」について見ていきましょう。

労働市場で必要とされる技能

世界銀行は現在の労働市場で必要とされるスキルセットを4つ挙げています。

  1. 認知能力。基礎的な文字の読み書きや算数、問題解決思考や批判的思考、複雑なアイディアを理解する力など。
  2. 社交対人スキル。チームワークやリーダーシップ、粘り強さや自己管理能力。
  3. 技術力。知識や経験、道具や科学技術の習熟など。
  4. デジタルスキル。他の3つのスキルを活かしながら情報を安全かつ適切に伝えたり理解したりすること。

義務教育やその他職業訓練などで上記4つのスキルセットを身に付けることが望ましいとされています。

先進国の職業訓練の状況

日本は義務教育課程の他、求職者向けの公的職業訓練を受けることができます。アメリカやイギリス、フランス、ドイツなどにおいても、職業資格を取得できるよう支援する制度が根付いています。とくにアメリカでは社会的に不利な立場にある人(低所得者やマイノリティ)向けの支援策として訓練が行われています。また北欧諸国においては国民の権利となっており、受講料が無料かつ所得補償制度もあります。

途上国の職業教育

途上国では、まず、読み書きや基本的な算術などを教える基礎的教育の普及が試みられました。その後、経済発展した地域においてはより就業と密接に結びついた職業訓練校へのニーズが高まり、貧困削減の文脈で設備や制度が整えられつつあります。しかし、「教育を受けても就業できない」、「訓練が仕事の役に立たない」、「教員が不足している」といった課題が依然として残っています。

こうした課題を解決するため、先進国が国際協力の一環で制度構築支援や教員派遣を行っています。また、教育内容を活かして起業ができるようマイクロファイナンス機関の活用なども推し進められています。