【SDGs169のターゲット】4-3. すべての人々に質の高い高等教育等への平等なアクセスを

SDGsでは、17のゴールの各々に紐づけられる169のターゲットを定めています。今回は、「4. 質の高い教育をみんなに」の10個のターゲットのうち、「4-3. 2030年までに、すべての人々が男女の区別なく、手頃な価格で質の高い技術教育、職業教育及び大学を含む高等教育への平等なアクセスを得られるようにする。」について見ていきましょう。

技術教育、職業教育及び大学を含む高等教育へのアクセスの平等とは

教育制度は、国連が定めた国際標準教育分類というフレームワークにより区分されています。このフレームワークによると、高等教育とは学術的もしくは実務的、職業的な教育であり、日本においては大学や短期大学、高等専門学校などが当てはまります。

日本でこうした高等教育への進学を諦める理由の多くは家庭ごとの経済格差や「進学よりも働いたほうが良い」といった文化的な格差です。文部科学省の「令和2年度学校基本調査」によると、大学や短期大学、高等専門学校などの高等教育機関への進学率は85.5%です。一方で、内閣府の「令和元年度子供の貧困の状況及び子供の貧困対策の実施の状況」によると、生活保護世帯に属する子どもの大学等進学率は36.4%、児童養護施設の子供の進学率(高等学校卒業後)は28.3%、ひとり親家庭の子供の進学率(高等学校卒業後)は58.5%です。

このように、家庭が相対的貧困の状況に置かれている場合、高等教育機関への進学率は低くなっています。一般的に生涯賃金は高卒よりも大卒の方が高いため、親の貧困が子供の進学率に影響することで、連鎖的にその子どもも貧困に陥るおそれがあります。こうした問題は「子どもの貧困」として全世界各国で対応策が議論されています。統計的に捉えにくい野営キャンプやスラムに暮らす子ども、外国人孤児、不法移民の子の貧困問題や教育問題も解決すべき社会課題です。

高等教育の価格

高等教育を受けるためには、教師の給与、教材費、設備費、学生数、基金の資産運用結果などの要素で決定される授業料を支払う必要があります。その他、実際に高等教育を受けるためには家賃や食費などの生活費、学習に必要なPCや教科書などの購入費も必要になる場合があります。アメリカや日本においては、授業料や家賃が高いため経済格差が教育格差につながっています。奨学金を借りることで教育を受けられるケースも多くありますが、その後の返済で苦労することもあります。先進国のなかでも、ドイツやスイス、フランスなどは日本やアメリカに比べると授業料は非常に安く抑えられています。途上国においては、高等教育を受ける前の初等教育の段階で課題を抱えている状況です。

新型コロナウイルス感染症(COVID-19)蔓延の影響により、世界各国で学校が閉鎖され、リモート教育が多く実施されました。一方で、リモート教育に必要となるインターネットや端末を購入できない家庭も多くあります。また、生まれ持った障害によりリモート教育での学習が難しい子どもたちもいます。