【SDGs169のターゲット】3-4. 非感染性疾患による若年死亡率の減少、精神保健等の促進

SDGsでは、17のゴールの各々に紐づけられる169のターゲットを定めています。今回は、「3. すべての人に健康と福祉を」の13個のターゲットのうち、「3-4. 2030年までに、非感染性疾患による若年死亡率を、予防や治療を通じて3分の1減少させ、精神保健及び福祉を促進する。」について見ていきましょう。

非感染性疾患(NCDs)とは

非感染性疾患(NCDs)とは、がん、糖尿病、肺気腫や心筋梗塞といった感染症以外の病気のことです。世界の死因の約7割が非感染性疾患(NCDs)であり、世界経済の損失や貧困の原因になっていると考えられています。非感染性疾患(NCDs)は、健康的な食事をとることや適切な運動習慣を身に付けること、過度な喫煙や飲酒、不健康なダイエットを防止することである程度予防できます。

とくに30歳~70歳未満のうちに非感染性疾患(NCDs)で亡くなる方は世界で毎年約1500万人おり、その約85%が中低所得国で暮らしています。中低所得国では医療制度や設備が先進国に比べて整っていないことに加えて、飲酒や食生活に関する教育が行き届いていない、所得が低く十分に栄養のある食事を摂れないといった課題を抱えています。

予防や治療の取り組み

WHOが2013年5月に策定した「NCDsの予防と管理に関する国際戦略:2013〜2020年行動計画」においては、9つの目標が設定されていました。

9つの目標は以下の通りです。

  • NCDsによる早期死亡を25%減少させる
  • アルコールの有害な摂取を少なくとも10%減少させる
  • 不十分な身体活動を10%減少させる
  • 高血圧を25%減少させる
  • 食塩摂取を30%減少させる
  • 喫煙を30%減少させる
  • 心臓発作と脳卒中予防の薬物療法とカウンセリングのカバー率を50%以上とする
  • NCDsへの必須医薬品や医療技術のカバー率を80%以上とする

病気の予防対策は、健康を保つための「一次予防」と、早期発見・早期治療を目指す「二次予防」に分けられます。一次予防を広げるためには生活習慣指導などの教育が、二次予防を広げるためには病院インフラや制度設計が必要です。