【SDGs169のターゲット】2-1.飢餓の撲滅、安全かつ栄養のある食料の確保

SDGsでは、17のゴールの各々に紐づけられる169のターゲットを定めています。今回は、「2. 飢餓をゼロに」の8つのターゲットのうち、「2-1. 2030年までに、飢餓を撲滅し、全ての人々、特に貧困層及び幼児を含む脆弱な立場にある人々が一年中安全かつ栄養のある食料を十分得られるようにする」について見ていきましょう。

「飢餓」とは?

国連によると、飢餓とは、身長に対して妥当とされる最低限の体重を維持し、軽度の活動を行うのに必要なエネルギー(カロリー数)を摂取できていない状態とされています。飢餓状態が続くと免疫力が低下し病死に至るほか栄養失調により餓死してしまいます。

現在、豊かな国では大量の食料廃棄が発生している(食品ロス問題)一方、アフリカや南米などの貧しい地域や紛争地帯においては食糧不足による餓死者が多く存在します。2020年版「世界の食料安全保障と栄養の現状(The State of Food Security and Nutrition in the World Report: SOFI)によると、2014年から飢餓人口は増加し続けており、現在は約6億9千万人、地球上の全人口のうち約8.9%もの人が飢餓状態に置かれています。

SDGsでは、この約6億9千万人の人々の暮らしを改善することを目指しています。このまま何もしなければ、飢餓人口は2030年に約8億4千万人に増加する見込みです。

脆弱な立場にある人々とは?

一般的に、高齢者や障がい者、子どもなどの身体的に弱い人や非正規労働者などの経済的に弱い立場にある人は、災害等による一連の被害が大きくなります。たとえば、同じ地震被害であってもスラム街の小屋で暮らす人は、鉄筋の自宅で生活する人よりも被る損傷は大きくなります。また、同じ避難所生活であっても病気を患っている人と健康な人では心身に与える影響度合いが異なります。

このように、有事の際に被害が大きくなる性質のことを「脆弱性(vulnerability)が高い」と表現します。脆弱な立場にある人々とは、貧しい人や子ども、女性、高齢者など、身体的、社会的に不利な立場にあり、傷つきやすい人のことを指しています。

一年中安全かつ栄養のある食料を十分得られる世界にするために

日本国内では、不測の事態に備えて食料を備蓄しており、大きな飢饉に見舞われることは滅多にありません。大きな震災などにより物流に混乱が生じ品薄になることはありますが、慢性的に不足する事態は防止されています。

こうした「安全かつ栄養ある食料に誰でも、いつでも、アクセスできること」を「食料安全保障」と呼びます。SDGsでは、世界中で食料安全保障の実現を目指しているといえます。現在、世界の食料安全保障は国際連合食糧農業機関(FAO)が中心となって推進しており、日本政府は資金提供を通じてその活動を支援しています。

飢餓をゼロにするためには、貧困に喘いでいる途上国等で炊き出しなどの食糧支援を行う必要があります。ただ、それに加えて、中長期的には、先進国をはじめとした食料品消費の在り方を変え、地球上の食料の偏りを改善していく取組みが求められています。