【SDGs169のターゲット】17-2. ODAに係るコミットメントの完全な実施

SDGsでは、17のゴールの各々に紐づけられる169のターゲットを定めています。今回は、「17. パートナーシップで目標を達成しよう」の19個のターゲットのうち、「17-2. 先進国は、開発途上国に対するODAをGNI比0.7%に、後発開発途上国に対するODAをGNI比0.15~0.20%にするという目標を達成するとの多くの国によるコミットメントを含むODAに係るコミットメントを完全に実施する。ODA供与国が、少なくともGNI比0.20%のODAを後発開発途上国に供与するという目標の設定を検討することを奨励する。」について見ていきましょう。

ODAとは何か

ODAとはOfficial Development Assistanceの略で、「政府開発援助」と日本語訳されています。政府開発援助は、政府や政府系機関が途上国や途上国を支援する国際機関に資金や技術を提供することを指します。主な内容は、平和構築や人道支援です。たとえば、海賊対策・感染症対策・法制度構築支援・大規模自然災害復興支援・食料支援・飲料水支援・鉄道や道路などのインフラ構築支援などです。なお、日本の戦後の経済復興にもODAによる資金が活用されています。

ODAには、日本が初めて実施した時から「国内にも至らない部分があるのに、わざわざ外国に援助する必要があるのか」という意見が寄せられていました。こうした意見を踏まえてもなお、ODAには外交上のメリットがあることから現在まで継続して実施されています。

ODAのメリットは主に2つあります。1つめは、開発途上国が平和に逆行するような行動(武力拡大や軍事クーデター、虐殺)をとった際に、支援の停止といった交渉が可能になることです。これにより、間接的に自国の平和を守ることができます。2つめは、ODAにより他国の安定や平和が実現することで、民間企業進出のチャンスを作ることができることです。たとえば、地下鉄の整備や発電所の整備などの大型案件を自国の企業が受注できれば、途上国の経済成長の恩恵を支援国も受けることができます。OECDによると2019年度において、ODAで貢献している国のランキングは、アメリカ、ドイツ、イギリス、日本、フランスの順となっています。

GNI (Gross National Income)とは

GNIは「国民総所得」と訳されています。よく似た用語に、GDP(国内総生産)があります。GDPは「国内で、ある期間中に生産されたモノやサービスの付加価値の合計」ですが、GNIは「国民が国内外からある期間中に得た所得の合計」であり、例えば日本企業の海外の所得も含まれます。

開発途上国と後発開発途上国

開発途上国とは、OECDや世界銀行などの国際機関が経済発展状況や開発状況を評価し、先進国に比べて成長の余地が大きい国として定められた国のことです。開発途上国の中でも特に国連総会の決議により開発が遅れていると認定された国が後発開発途上国です。後発開発途上国は、行政機能が低いことから自然災害や紛争、飢餓などに対応しきれていないことが多い状況です。後発開発途上国は、「LDC」(Least Developed Country)とも呼ばれます。

外務省によると、2018年時点で後発開発途上国に指定されている国は、アフリカに33ヵ国、アジアに9ヵ国、大洋州に3ヵ国、中南米に1ヵ国の合計47ヵ国あります。開発途上国、とくに後発途上国へのあらゆる角度からのアプローチによる支援、ODAを通じた公的支援はもちろん民間支援を含め、先進諸国をはじめとして世界的に一丸となって、より一層取組みを進めていくことが肝要といえます。