【SDGs169のターゲット】16-2. 子どもに対する虐待等の撲滅

SDGsでは、17のゴールの各々に紐づけられる169のターゲットを定めています。今回は、「16. 平和と公正をすべての人に」の12個のターゲットのうち、「16-2. 子どもに対する虐待、搾取、取引及びあらゆる形態の暴力及び拷問を撲滅する。」について見ていきましょう。

児童虐待の定義

厚生労働省によると、児童虐待は身体的虐待・性的虐待・ネグレクト・心理的虐待の4つに分類されます。身体的虐待とは、殴る、蹴る、揺さぶる、火傷させる、溺れさせるなどの暴力です。性的虐待とは、子どもを性的行為の対象とすること、性的行為を見せることやポルノグラフィティの被写体にすることなどです。ネグレクトとは育児放棄のことで、家や車に閉じ込める、食事を与えない、不潔にする、重い病気でも病院に連れて行かないことなどです。心理的虐待とは、言葉による脅しや差別、子どもの目の前で家族に暴力をふるうといったことです。

児童虐待には、幼い子供が命を落としてしまう危険性があるだけでなく、生存したとしてもPTSD(Post Traumatic Stress Disorder、心的外傷後ストレス障害)などのトラウマを引き起こしてしまう可能性があります。また、全員ではありませんが、虐待の被害者が成人して家庭を持った際には自分の子どもに対して同じように虐待してしまうケースが散見されることが研究によって明らかになっています。こうした連鎖を断ち切るためにも、児童虐待の防止や予防、早期発見が非常に重要です。

世界の児童虐待の状況

世界全体では、2歳から4歳までの子どものうち4人中3人が何らかの虐待の被害にあっています。現在、新型コロナウイルス感染症(COVID-19)蔓延の影響で両親などの養育者のストレスが増加した一方、支援団体などによる子供たちへの支援の手が届きにくくなっていることが指摘されています。また、途上国では経済的理由により子供が売春目的や臓器目的、強制労働目的で売買されることもあり、その被害者が日本で働いていることもあります。

日本の児童虐待の状況

警察庁の犯罪情勢統計によると、2020年度において児童虐待の疑いで日本全国の警察が児童相談所に通告した18歳未満の子どもは10万6,960人に上り、前年比8.9%増となりました。通告の内訳は心理的虐待が7割で、身体的虐待、ネグレクト、性的虐待の順に多くなっています。通告は警察だけでなく、本人、親族、近隣住民、学校、医療機関なども可能であるため、実態はもっと多いと考えられます。また、摘発件数は2,131件と過去最多になっています。

厚生労働省によると、児童虐待への認識度が高くなったことで児童相談所や福祉事務所等に「虐待かもしれない」との通告や相談が増加しているそうです。現在の被害者、そして未来の被害者を減らすために社会全体で見守ることの重要性はますます高まっているといえます。これに限らずですが、他人事にしないことが肝要です。