【SDGs169のターゲット】15-2. 世界全体での新規植林および再植林の大幅な増加

SDGsでは、17のゴールの各々に紐づけられる169のターゲットを定めています。今回は、「15. 陸の豊かさも守ろう」の10個のターゲットのうち、「15-2. 2020年までに、あらゆる種類の森林の持続可能な経営の実施を促進し、森林減少を阻止し、劣化した森林を回復し、世界全体で新規植林及び再植林を大幅に増加させる。」について見ていきましょう。

森林の種類

森林は様々な観点から分類されます。たとえば、所有者・気候帯・樹木の種類・生えている場所・由来や状態等です。所有者の観点では「国・公有林」と「私有林」に大別されます。気候帯の観点では「熱帯林」、「亜寒帯林」など、樹木の種類では「常緑樹林」、「針葉樹林」「落葉樹林」など、生えている場所では「湖畔林」、「屋敷林」など、由来や状態では「原生林」、「天然林」、「人工林」などに分類されます。森林保護と聞いて思い浮かぶのはアマゾンの熱帯雨林の原生林の保護かもしれませんが、ターゲット15-2ではより広範な森林保護を目指しています。

森林減少の原因

森林減少の原因は私たち人間の生活にあります。たとえば、人工増加に伴う森林の農地・牧草地転用、燃料や建築材としての木材の利用、こうした商業利用の際の不始末や気候変動の影響による森林火災などです。とくに、途上国において先進国に輸出する目的で森林伐採が行われています。自然回復力を大幅に上回る違法な森林伐採が行われないよう、先進国で暮らす私たちの消費の在り方や生活スタイルの見直しが求められています

また、失われてしまった森林の回復に向けた植林などの取り組みや、食糧問題の解決、森林伐採を代替する経済機会の創出、持続可能な森林経営者支援なども同時に必要であり、あらゆる立場の人の協力が不可欠となっています。

緑化の状況

アフリカや南米で森林が減少している一方、最新の衛星写真を使用した研究によるとインドや中国においては植林が進み森林が増加しています。植林が進んでいることは望ましいことですが、人の手により作られた人工林は適切な時期に適切な量の伐採をしなければ土砂災害や花粉など別な問題を引き起こす可能性もあります。
たとえば、日本は世界有数の森林面積を誇る国ですが人口減少と国際価格競争により林業が衰退した結果、手入れのされない森林や伐採時期を迎えても放置された木が増加しています。「森林の持続可能な経営」を応援する仕組みが、国内外ともに極めて重要です。