【SDGs169のターゲット】14-3. 海洋酸性化の影響の最小限化

SDGsでは、17のゴールの各々に紐づけられる169のターゲットを定めています。今回は、「14. 海の豊かさを守ろう」の10個のターゲットのうち、「14-3. あらゆるレベルでの科学的協力の促進などを通じて、海洋酸性化の影響を最小限化し、対処する。」について見ていきましょう。

海洋酸性化とは

地球ができて間もない頃の雨や海は、酸性だったといわれています。10億年という長い年月をかけて地表の鉱物を溶かし中和されることで、現在の弱アルカリ性の海に変わったとされています。

現在、海で生きる多様な生物たちは海が弱アルカリ性であることを前提に暮らしています。もし海が酸性に近づくと、サンゴや貝類は溶けてしまいます。サンゴや貝類が溶けてしまうと、それを食べる魚や共生する生き物たちがどんどん死んでしまい、生態系が崩れてしまいます。このように、弱アルカリ性の海が、中性・酸性に近づくことを「海洋酸性化」といいます。実は海洋酸性化は、現在進行形で引き起こされている問題です。日本の海洋でも海洋酸性化が起こっています。

海洋酸性化の原因

海洋酸性化は、大気中の二酸化炭素濃度が上昇したことで発生しています。これは地球温暖化と併せて起こる問題なのです。地球が10億年かけて弱アルカリ性にした海を、私たち人類が短期間で中性・酸性に変えてしまっています。いったん海洋酸性化が進むと、それを元の弱アルカリ性に戻すことは困難なので、海洋酸性化を遅らせ、防止することが重要です。

海洋酸性化を防ぐ方法

海洋酸性化を遅らせ防止する方法は、地球温暖化などの気候変動問題と同じです。二酸化炭素排出量を減らすしかありません。二酸化炭素排出量を減らすためには、途上国に日本の省エネ技術を伝える、企業がサプライチェーンにおける二酸化炭素排出量を減らすといった取組みのほか、私たちの暮らし方や商品の選び方を変える必要があります。例えば、環境に配慮した企業の製品を買う、余計なごみを出さないよう長く使用できる製品を買うなどです。