【SDGs169のターゲット】13-1.災害に対する強靭性(レジリエンス)等の強化

SDGsでは、17のゴールの各々に紐づけられる169のターゲットを定めています。今回は、「13. 気候変動に具体的な対策を」の5つのターゲットのうち、「13-1. 全ての国々において、気候関連災害や自然災害に対する強靱性(レジリエンス)及び適応の能力を強化する」について見ていきましょう。

気候関連災害や自然災害に対する強靱性(レジリエンス)及び適応とは

観測されている事実として、世界の年平均気温や海水温は上昇しており、北極海の氷は溶けています。こうした気温や海水温の上昇傾向、氷河の溶解は今後も続くと予測されています。こうした世界的な気候変動と直接的な関連は不明ですが、日本においても年平均気温は上昇しています。また、真夏日や猛暑日、日降水量が100mm以上の大雨の日数が増加している一方、弱い雨の日や積雪量は減少しています。こうした変化の影響で、農作物の適地が変化し、果実の内部が痛んでいる、米粒がひび割れる、成熟しないといった品質悪化が報告されています。

気温や海水温の上昇に端を発し、直接的に私たちの生活に被害をもたらす洪水や豪雨、干ばつ、高潮といった気候関連災害は、農作物の生産減や生態系の破壊、熱中症などによる疾病など二次被害も連鎖的に引き起こします。そのため、これ以上の気候変動を引き起こさないよう実施する「CO2削減」などの予防措置のほか、既に進んでしまった事象に対して「適応」すること、被害を前提に「強靱性(レジリエンス)」を強化することを同時並行で進める必要があります。たとえば、変わってしまった気候に対応する形で熱中症対策をすることや亜熱帯の作物を栽培することが「適応」、被害が予想される地域のインフラ強化や避難訓練の実施が「強靱性(レジリエンス)の強化」となります。

防災に関する国際的な目標「仙台防災枠組み2015-2030」とは

SDGsでは進捗を測定するグローバル指標として、以下の3つを定めています。

(1)10万人当たりの災害による死者数、行方不明者数、直接的負傷者数

(2)仙台防災枠組み2015-2030に沿った国家レベルの防災戦略を採択し実行している国の数

(3)国家防災戦略に沿った地方レベルの防災戦略を採択し実行している地方政府の割合

「仙台防災枠組み2015-2030」とは、防災分野において国際協調力を強化するため1994年以降10年ごとに開催されている「国連防災世界会議」の第3回目において策定された防災枠組みのことです。「仙台防災枠組2015-2030」では4つの優先行動と7つのターゲットが定められています。

4つの優先行動とは、災害に関するデータの活用やリスク評価といった「1.災害リスクの理解」、企業や学術界などの全てのステークホルダーにわたる防災の主流化といった「2.災害リスク管理のための災害リスクガバナンス」、土地利用を含むハード・ソフト両面の防災への官民投資などの「3.強靭化に向けた防災への投資」、復旧・復興段階における基準などの整備や災害予警報の拡充、食糧や避難場所の確保などの「4.効果的な応急対応に向けた準備の強化と『より良い復興(Build Back Better)』」の4つです。

7つのターゲットは①死亡者数、②被災者数、③経済的損失、④重要インフラの損害、⑤防災戦略採用国数、⑥国際協力、⑦早期警戒及び災害リスク情報へのアクセスで構成されています。

「気候変動への具体的対策」としては予防的措置だけでなく、既に起こっている問題に対しての「適応」、被害を前提とした「強靱性(レジリエンス)の強化」が同様に重要です。また、一人ひとりの防災意識を高めることが、気候変動問題を食い止めるキーになります。