【SDGs169のターゲット】10-3. 機会均等の確保、成果の不平等の是正

SDGsでは、17のゴールの各々に紐づけられる169のターゲットを定めています。今回は、「10. 人や国の不平等をなくそう」に付随する10個のターゲットのうち、「10-2. 差別的な法律、政策及び慣行の撤廃、ならびに適切な関連法規、政策、行動の促進などを通じて、機会均等を確保し、成果の不平等を是正する。」について見ていきましょう。
差別的な法律、政策、慣行と適切な関連法規、政策、行動の促進
日本では男女間の不平等や正社員と非正規社員間の不平等を解消するため、「男女雇用機会均等法」の施行や「同一労働同一賃金制度」が推し進められています。「男女雇用機会均等法」とは、性別を理由とする差別の禁止や婚姻、妊娠・出産等を理由とする解雇などの禁止、セクシュアルハラスメントやマタニティハラスメントを防止する法律です。「同一労働同一賃金制度」とは、働き方改革の一環で正社員とパートタイム労働者やアルバイトが同じ労働をしているのにも関わらず給与や福利厚生などの待遇に違いが生じている現状を是正するための制度です。
日本にはこれらの差別の他にも、乗り越えるべき差別がまだ多く残っています。例えば、外国人が国籍や宗教上の理由による服装を理由に採用を断られるといった外国人差別、同和問題、障碍者差別、性的少数者に対する差別、最近では医療従事者に対する差別なども話題になりました。
世界にも同じような差別問題がたくさんあります。日本よりも根深い問題を抱えている国も珍しくありません。人種差別の問題が声高に主張される一方で、アジア系のヘイトクライムが増加するなど分断が発生しています。こうした差別問題は、積極的に解消に取り組まなければ中々解消されません。差別解消のため、履歴書に性別や年齢を記載しない国もあります。
結果の不平等と機会均等
私たちの暮らしや年収、幸福度などは人により様々です。この違いは、私たちの努力や工夫による違いと、そうではない生来的環境や外的環境による違いの2つに分かれます。違いをまったく認めず、成果を均等に配分するという考え方が「結果平等」、違いを認めつつスタートラインの平等を確保しようという考え方が「機会均等」です。現在、これまで少数派であったり身体的に弱者であったりした人にも機会均等を与えようという動きが活発化しています。加えて、過度な結果平等についても是正すべきとの声が上がっています。例えば、世界の相当割合の富をたった数人が独占していることが指摘されています。