【SDGs169のターゲット】1-4. 基礎的サービスへのアクセス等の平等な権利をすべての人々に

SDGsでは、17のゴールの各々に紐づけられる169のターゲットを定めています。今回は、「1. 貧困をなくそう」の7つのターゲットのうち、「1-4. 2030年までに、貧困層及び脆弱層をはじめ、すべての男性及び女性が、基礎的サービスへのアクセス、土地及びその他の形態の財産に対する所有権と管理権限、相続財産、天然資源、適切な新技術、マイクロファイナンスを含む金融サービスに加え、経済的資源についても平等な権利を持つことができるように確保する。」について見ていきましょう。
基礎的サービスとは何か
基礎的サービスとは、生活に必要不可欠なサービスのことです。たとえば、安全な飲料水や衛生的なトイレ、ごみ処理場などを指します。役所や郵便、病院や学校が含まれることもあります。日本など先進国では当たり前のように整っているインフラですが、新興国のとくに貧しい地域においては未整備であることがほとんどです。
財産の所有権や管理権限が制限される人々
とくにウガンダやザンビアなどのアフリカ諸国において、歴史的な経緯から女性の土地所有権や相続権が認められないケースが多々あります。たとえば、夫を死別・離婚により失ってしまった場合、たとえ生前に夫婦で共同して農業を営んでいたとしても夫の親族が無断で土地を売ってしまい、未亡人となった女性と子供は生活を許されず職を失ってしまうということが珍しくありません。
他にも、男性の許可を得なければ女性が働けない、ローンを組めないといった慣習も多く残っており、とくに死別などの不運に見舞われた場合に貧困から脱することが難しくなっています。現在はこうした権利上の不平等が貧困の連鎖の一因と考えられており、女性の権利向上という形で解決に向けた運動が行われています。
マイクロファイナンスとは何か
マイクロファイナンスとは、従来の金融サービスにアクセスできる環境にない方々を対象に提供する金融サービスの総称を指します。こういった金融サービスを提供する会社等をマイクロファイナンス機関と呼びます。提供している金融サービスの内容に応じて、マイクロクレジット、マイクロインシュアランス、マイクロセービングなどがあります。
マイクロクレジットとは、従来の金融機関では信用力が低いために借入れができない主に貧困層向けの少額融資サービスのことです。マイクロインシュアランスとは、主に新興国における貧困層向けの低額保険サービスのことです。マイクロセービングとは、ごく少額の資金から無料で預金できるサービスのことです。これは、日本国内では銀行口座が1円から無料で使用できるため、とくにイメージしづらいかもしれません。新興国の農村単位でこのマイクロセービングを実施し、集まった資金をもとにマイクロクレジットが行われるケースもあります。
貧しい・女性である・老人であるといった理由により権利を制限されてしまうと、本人がどんなに努力をしても状況を変えることができなくなってしまいます。ターゲット1-4はそうした個人の努力では変えられない不平等な状況の変革を目指しています。